第67話

文字数 2,895文字


源三郎江戸日記(弟五部)67

室蘭を出て苫小牧を見分すると、頭が馬で幌内まで行って来ましたが、平坦な草原が多くて道は作れそうですが多くの人手が必用です、札幌まで繋ぐには年月がかかるでしょう、又左右は、
森林の為木材は豊富でが、内陸部は豪雪地帯だそうで大変開拓はきびしいと言う事ですと話し、何をやるにも大勢の人が必要ですと言ったのです、まずは道作りじあな、道が出来れば入植、
も進むじあろうが、

まあゆつくりやる事じあよ、一冬過ごせばどんなもんだか分かるじあろうと言って、苫小牧を出て釧路に向ったのです、釧路では千坂兵部が出迎えてここも内陸部に入らない限り雪は多く、
ないそうです、一月になるとこの釧路湾は凍りつくとの事です、米沢より厳しいですが冬を越す漁師も多いそうですと話したのです、陣屋、長屋は冬篭りが出来るように作られており、
楽に冬は越せそうですと言ったのです、

釧路で一泊して根室、歯舞、色丹を見分してエトロフに上陸すると、ロシアとの騒動が勃発していたのです、津軽藩の家老田上十臓に御座います、1月前にに我々の巡察隊10人が北部の巡察、
に行きましたところ、ロシアの船が停泊していまして、付近を捜索したところ川のほとりのアイヌ村でロシア人が鉄砲でアイヌを脅かし毛皮税なる税を払えと言っているところに出くわし、
島を退去するように言うと、

3人は船に戻ったが立ち去ろうとしないので、威嚇発砲すると小船3隻に20人乗り、鉄砲10丁を持ち再上陸してきたので、銃撃戦になったそうですが、こちらの鉄砲は300間飛びますが奴らの、
鉄砲は250間位だそうで、たちまち5人が小船から落ちると、その者を助けずさつさと船に引き返して湾を出て行ったそうです、アイヌのカヌーを出して5人を引き上げて傷の手当むをすると、
1人は深手でしたが、

4人は浅手だったのです、5人とも漁師の船に乗せて、陣屋まで連行してキズの手当てをしてやり、今は全員元気です、それからはロシア船は来ませんと言って、藩に知らせましたら適当に、
送り返せという事なのですが、誰もカムチャッカに行った事がないので、迎えに来るのを待っている所です、牢には入れておりませんと言ったのです、事情を聞きましたら、今までは北部、
のアイヌから毛皮税を取り立てていたと言う事ですが、

ロシアの役人ではなく、毛皮商人だそうです、カムチャッカには和人の漂流民、6人がいたそうですが、ロシアの都に2人送られ、今は4人がいるそうで、和人の言葉を教えているそうです、
カムチャッカに住んでいた、アイヌは奴隷のようにロシア人に使われているそうです、時々エトロフに逃げでくるアイヌがいますが保護しています、去年にはアイヌによる大きな反乱が、
あったそうですが、

鉄砲で制圧されて多くのアイヌが死んだそうです、ロシア人も50人が死んで、報復の為アイヌ200人が殺されたという事ですと言ったのです、それでは話しを聞いてみよう、ロシア語の、
分かるものはいるかと聞くと、カムチャッカから逃げて来たアイヌが下働きしていますというと呼んだのです、和人名で浅吉といいますと言うので、カムチャッカの何処にいたのだと、
聞くと、

ロシアが名前をつけたペトロパブロフスク・カムチャツキーにいましたと言うので、アイヌ人は何人くらいいるのだと聞くと全島だと、1000人位でペトロパブロフスク・カムチャツキー、
には300人位住んでいます、ほとんどがロシア人の召使です、給金は貰えず粗食で暮らしていますと言ったのです、ロシア人はと聞くと1000人はいます、軍船が一隻と兵が120人が常駐し、
ています、

雑貨屋、女郎屋、居酒屋、は沢山あり、パン屋、菓子屋もあります、毛皮商人は50人位で後は大工、漁師、船子、人足ですと言うので、そこの頭はと聞くとロシアの総督でジンスキーと、
言う者です、兵の頭はゴローニンと言う者でロシアでは少佐と言う官位だそうですと言ったのです、その軍船はと聞くと3000石位の船で右舷と左舷に6門の大砲を装備しており、兵は80、
人が乗っているそうです、

シベリアのナホトカとペトロパブロフスク・カムチャツキーを行き来しているそうです、補給船団の護衛をしているそうですと答えたのです、ロシア人のところに連れていき通詞をする、
ように言いつけて、わしは幕府の役人である、なぜ交易せずに税と言う名目で毛皮を取り上げるのだと聞くと、それは頭の命令だ、わし達船子はそれに従っているだけだと言っています、
と言うので、

みんながそうやっているのかと聞くと、銀貨で払う商人もいる総督府からは何も言われていないと言ったのです、お前達の頭は置き去りにしてさつさと帰ったではないかと言うと、死んだ、
と思っているのだろう、わし達はどうなるのだと聞くので、ペトロパブロフスク・カムチャツキーらに抑留されている和人と交換すると言うと、それは総督の権限外で本国の皇帝の許しが、
必用だから難しいと言うので、

抑留されている和人はなぜ送り返さないのだと聞くと、皇帝のお許しが出ないのだろうと言ったのです、2人が都に連れていかれたと聞くがと言うと、皇帝の命令なのだろうと言うので、
都までは何日かかるのだと聞くと夏なら4ケ月だが冬は半年以上かかるし、シベリアを横断するのは大変な危険をともなうと言うので、定期的に都まで税を運んでいるのかと聞くと、多分、
今月が最後で、

1月から3月までは都への便はでないと言ったのです、これよりペトロパブロフスク・カムチャツキーに船で送り届ける支度して船に乗るが良いと言うと、みんなが喜んだのです、田上が、
宜しいのですかと聞くので、わしは幕府の老中じあ、ともかく交渉してみる事にしょう、と言うと、宜しくお願いします、藩は送り返せと言っているので、問題ないですと言ったのです、

七衛門に山形達はいないが鉄砲は何丁あるのだと聞くと15丁はあります、船子が操作出来ます腕もそこそこですと言うので、よし、むこうも軍船1隻と聞く、大砲もこちらの方が上じあ、
船は小さいが速さはこちらが早いと言うと、承知しました心してかかりますと言ったのです、ロシア人5人を乗せてカムチャッカへ向ったのです、程なく東の湾に入り用心しながら進む、
と前から何隻かの商船に出会いましたが、

日の丸と幕府の紋章を見て愕いていたのです、初めて幕府の軍船を見るのじあろう、こちらも大砲を装備しているので愕いているはずじあと言って、ロシア人に場所を聞くと湾の右側、
と左側に港があり右側に総督府があると言うので右に進んで行くと、沢山の船が停泊しているので、軍船を聞くと真ん中の桟橋に停泊している船でロシアの紋章の旗が掲げてあると言、
ので、

500間手前で停止して右の岩礁へ大砲を11発打ち込むぞと言うと、七衛門が目標右前方500間の岩礁玉を込めろといって、放てと言うとどか~ん、どか~んと音が6発して岩礁に玉が飛ん、
で行き爆発して岩礁が吹き飛んだのです、おおくの船の甲板に人が出て来て愕いています、続けて5発玉込め放てと言うと次に5発の爆発音がして岩礁は跡形もなくなくなったのです、

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