上の裏の意図は? (12月6日15:00)
文字数 2,532文字
「乙ー!みんなー、兄貴から差し入れ貰ってきたよーwwwクソうけるw」
晴野は第二ロックを解除し、笑いながらオフィスに入ってきた。
手にはスーパーの袋を下げていた。
先ほど晴野は「うお。兄貴に呼ばれたwwなぜだww嫌な予感しかしないwwwww」と笑いながら1階まで降りていった。
晴野のお兄さんは、どうやら差し入れを渡しに来ていたようだった。
「お?アストライアー氏、やっぱ
そう
なりましたかな??よきよきww」声の主は3課1係4班リーダー、ネフィリムだ。
彼も差し入れを持って1課2係7班に来ていた。
ありがたいが、2人の間に何かあったのだろうか。
「おーwwネフィリムリーダーwwwwうちの兄貴はカレーだったっすwwてことは――」
「乙カレイの煮つけの材料でござるwwもち、ほうれん草と卵にお漬物、味噌汁用に豆腐とおあげと大根も買ってきたでござるぅwww草ぁwwww」
「ネフィリムwwwwありがとうww今日は既に鍋仕込んでるから、明日の晩御飯にするよwwwww」
「腹筋崩壊wwww笑いすぎておなか痛いwwwありがとよw友よwwwwww」
「いえいえーwwアストライアー氏と判明して以降、拙者、絡みに行きたくてうずうずしてましてwww」
「wwww私もネフィリムとリアルで話したかったから助かるわwww」
爆笑する晴野と東雲とネフィリム。
どうやら同窓会のようだった。
「あー、
「そうだったのか。差し入れ、ありがとうございます。みんなでいただきます。」
ネフィリムが手に持っていたレジ袋を差し出し、ミーティングルームの机の上に置いた。
渦雷が班員を代表して礼を言う。
他の班員もネフィリムに礼を述べた。
「もち全員分wwwあ、嵐山氏は味覚過敏あるって聞いてたんで、複数種類魚買ってきたでござるwwカレイがダメだったら、好きなの焼いて食べてクレメンスwww」
「お気遣いありがとう。嬉しいわ。いただくわね。」
嵐山はネフィリムに礼を言った。
ネフィリムは嵐山の味覚過敏を知っていたようだ。
嵐山は「茄子などの、ぐにゃっとした食感がだめ」だと言っていたため、同じような食感のものを避けてくれたのだろう。
秋刀魚や鯖など複数種類の魚が入っていた。
カレイの煮つけはどうしても水分が多くなってしまう。ダメな可能性は高かった。
味覚過敏は人による。
個人では何がダメか判別がつかないため、複数提案があるのは助かる。
また、嵐山は薄味を好むので、煮つけより塩焼きの方が望ましいかもしれない。
数人で話していると、キッチンから雨宮が顔を出し、ネフィリムに話しかける。
「ネフィリムリーダー。
自宅からホールケーキを貰ってきていた雨宮が、ネフィリムを誘う。
班員は7名。ちょうど1切れ余るのだ。
「おww良いんですかなww拙者がいただいても?ww」
「ええ。晴野と東雲とも話したいでしょうし、こちらの席でいかがでしょう?…雪平、いいかしら?」
「あ、どうぞ!ネフィリムリーダーさん、お座りください!!」
いつも3名掛けのソファには、電子モニター側から雪平、晴野、雨宮の順に座っている。
今回その3名掛けの席をネフィリム達に譲ることにした。
雨宮は嵐山の隣(元は東雲の席)に座り、雪平は電子モニター前に椅子を1つ持ってきて、渦雷と3名かけのソファの間の辺に座った。
コーヒーを選択したのは渦雷、雪平、ネフィリム。
霧島、嵐山、雨宮、晴野、東雲は紅茶を選択した。
席に着き、食べ始める。
「いやー、他オフィスで食べるケーキは美味いっすなぁww」
「ふふwwお元気そうで何より。いつもありがとう。」
笑顔でケーキを食べるネフィリムに、東雲が礼を言う。
「いえいえww実はちょいと
ネフィリムの発言に晴野が反応する。
「んえっ。何なに何なんかヤバそうなこと!?やっぱ上何かしてた!?」
「やっぱり、前回のPNG失敗は複数の思惑が絡んでいるようっすわwwクソゲー過ぎて草ww」
「まじかー。やっぱやりやがってたかー。」
「その中には【調査で
ネフィリムの発言に渦雷が反応する。
「じゃぁ、天笠の監視は――」
「いや、
「…って、おい。関係ないんかい。」
すかさず晴野が突っ込んだ。
「天笠は警視総監に直接繋がっている派閥でござるwwなので、監視の目的を調査にすり替えて報告して、ちょっとしたお叱りだけになったようでござるよww」
…だめだろう、それは……。
呆れるしかなかった。
「ただ、前回のゴタゴタがあってか、裏の方でヤバそげなのマーク出来たっぽいんで、詳細は内情に詳しい人とかに接触してクレメンスww拙者は噂しか知らぬww」
「そうか…。ネフィリムリーダー、ありがとうございます。」
「んで、ヤバそげなのが今回の盗聴器と監視カメラに関係していて、天笠は無関係な希ガスwwまぁ、これについては調査中で、とある秘匿班が犯人候補を絞っている所なのでwみなの者、続報を待たれよww」
やっぱり敵が居るのか…。だが、見当がついているのは幸いだ。
ネフィリムからの情報はありがたかった。
「ネフィリムリーダー…今後動くとしたら、また
「あー…。もし、今回も何か手を打たなければならないのなら、拙者だったらやるでござるなぁ…。」
「…そうですか。情報ありがとうございます。」