エピローグ (11月16日10:50)
文字数 1,892文字
よって、班の存在は秘匿されてはいるが、メンバーは顔を合わせて普通に活動していた。
部屋に居る同じ
ちなみに、この
「
着席しようとしたとき、
手招きされ、上司について廊下に出る。
「
黒沢さんは、今日赴いた
さわやかな見た目で、いかにも人付き合いが上手そうな雰囲気のにこやかな男性だ。
ネイビーのスーツに同色同素材のベストを合わせている。
今日のネクタイは赤色だった。
首から社員証よろしく、特捜へ立ち入るためのカードキーを下げている。
同じ
ちなみに、黒沢さんの所属は公安部
表担当ではあるが、以前裏に居たこともあり、そのせいか裏事情に詳しい。
必要あれば少ない情報を辿って【秘匿されているはずの裏】に接触して情報を取ってくるという…何というか、とんでもないハイレベルな方向に色々とアクティブな人だった。
どうなってるんだ、この人の情報網は…。時々恐ろしくなる。
優秀であることは間違いないため、黒澤さんは特捜内に
「天道のスマホのハッキングの件、なかなか愉快だったよ!アニメかな?ホント、笑いをこらえるのに必死だったよ。あれ、どこかの
「詳細は知らないんですが、なぜかネフィリムと
そう、あの天道を
天道は元々阿久津の部下だった為、
メールの履歴の復元や通話履歴の復元により、天道自身は
元々
天道自身が疑惑をかけられた状態でずっと
天道がシロと断定されたため、これからは動きやすくなる予定だ。
本当、最高のタイミングで
ちなみに、ハッキング時の画面と天道の様子は、本日の業務終了後にこっそり班内で上映予定である。
黒沢さんは青ざめた
だが、黒沢さんはこんな世間話がしたかったわけではないらしい。
うわ、大変だったね…と言い、話しを続けた。
「さて、本題に入ろう。この前、安在の件を担当していたの、
本当、どうなってるんだ、この人の情報網は…。
表裏あわせて大掛かりに動いたから知っているのか、それとも
探った
のか。疑問ではあるが、渦雷はそのまま流してみることにした。
「はい。そうです。表裏あわせて動いたはいいものの、安在が包丁でスパイを刺し、
黒沢さんは小さく頷いた。
多少詳しく言ってみたが、合っていたらしい。
…本当にこの人の情報網はどうなっているんだ。マジで。
というか、この人に隠し事をできる人は、この世界に存在するのだろうか。
軽く引いていると、黒沢さんが話し出す。
「安在の警備…監視の方が正しいかな?の穴についてだけど、恐らく…絶対に共有されてないよね?」
「――え。犯人わかったんですか!?」
黒沢さんの言葉に
対して黒沢さんはやっぱりか、といった様子だ。
視線が交錯し、黒沢さんが口を開く。
「それが――どうやら天笠さんが指示を出したらしいんだ。」