7頁

文字数 721文字

 スミスはポケットから鍵を出すと。
エレベーターのパネルに差し込み。地下3階のスイッチを押した。
脱出用の何かがあるのかな?と思った。
 地下に着くと、そこは潜水艦か何かの、港の様な所だった。広いプールみたいな桟橋みたいな物があった。
 スミスが壁に寄り掛かり座ったので。俺は、

「傷の手当をしてやる」

と服を脱がせて、傷を見た。
 俺達、戦闘員は救命の治療は、ある程度叩き込まれているので下手な医者よりましだった。

「弾は抜けてるな。ラッキーだ。出血も止まっている。痛むだろうが我慢だな。
急いで治療すりゃ、命に別条はないよ」

と俺は傷口を消毒して、ガーゼを貼り包帯を巻いた。腕を動かす度に、スミスは顔を歪めた。
まあ、銃で撃たれたのだ、仕方がないなと救急箱を見たら、痛み止めのモルヒネがあった。
 まったく、戦場仕様の救命キットと言えるなと俺は何とも嫌な世界にいるんだなと、改めて思ってしまった。
 するとスミスが、

「モルヒネをくれ。眠くなるが、しばらくは
動けるだろう」

と言った。俺は、

「その前に話が聞きたい。あんた言ったよな、第3勢力って、何の事だ?」

 スミスは、ニヤリと笑い。

「言ったかな?」

と惚けた返事をした。
俺はもう、その駆け引きには慣れっこだった。

「惚けるな言えよ」

と言うと。

「それが聞きたいから、助けたのか?」

「そんなところだ。幹部を撃っちまったし。
俺は、戻れる所も無い」

と言うと。

「我々の仲間になるか?ドラゴンも喜ぶぞ」

と言いやがった。
こいつ又、俺の地雷を踏みやがった。
だが怒りはそれ程、湧かなかった。

「ドラゴンなど知った事か。俺は俺だ」

「では教えたら私をどうする。仲間に引き渡すか、それとも殺して、汚名をそそぐか?」

「人殺しは沢山だ。仲間の死もな」
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み