2話7頁

文字数 590文字

 俺はそこでふと気になった。

「お前は何でも知っているな、何故だ?
俺は何の罪に問われているんだ?」

と聞いた。すると、

「テロリスト、ドラゴンの仲間と言う容疑だ。
昨日、この町の労働区で爆発事件があった。
君は、その仲間の容疑者の1人だよ」

「えっ?!テロリストドラゴン?そんな者が、いるのか?」

「あははは!世事に疎いか。
これも、コピーしないとな。言っておくよ、
更生院では情報が全てだ。兎に角、人の喋りたく無い情報を引き出せ。それが生き残る道だ」

 この男は何でも知っている。俺は、そんなにも世の中の事を知らなかったのか?
いや真一との会話でも、他のクラスメートとの会話でもこんな話は出た事がなかった・・・。
 喋らなかった?思想犯になるから。危険思想の持ち主とされれば警察に捕まるから?
俺は最早、何も信じられなかった。
 更に男は、

「どうするんだ!居るのか逃げるのか?
警察に聞かれても、来てないと言ってやるよ。
君への手向けとしてな」

俺は、どうしたらいいのか分からなかったが。
ここで捕まれば、もっと悪い方向へ向かうと、理解して、家をフラフラと出た。
 こんな時に、人は何処へ行くのだろうか?
俺は労働区の側の歓楽街へと向かった。
稀にいる不良が捕まる所だ。
俺の年なら直ぐにでも捕まるだろう。
だが逃げ延びる奴もいると聞く。
それに賭けようと思った。何にしても俺は、
既に冷静な判断力を失っていた。

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