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文字数 581文字

 俺はニヤニヤ笑いながら技術通信と言う雑誌を読んでいた。
 今月号はロケット工学の特集だ。
俺は早く先を読みたくて、前も見ずに歩いていたと言う訳さ。
何十分?いや、1時間は歩き読みをしていただろうか?俺は家に向かう道を曲がりもせずに、真っ直ぐ歩いていた。
交差点ならアラームが鳴って知らせてくれる。
だから、見なくても安全なのだが。

 昔の人も歩き読みしていたのだろう。
俺が物心付いた頃には既に、このシステムは
あった。だがそれすら無かった鳴らなかった。
うん?と思いながらも、雑誌は1番良い所。
技術者のカリスマ、ギガエンジニア斉藤さんの頁だったので俺は夢中になり、気にもかけずに歩いていた。

 すると、ジャリと足元から、おかしな音が聞こえ始めた。そこでようやく俺は、本から目を離し顔を上げた。
驚いた、砂利道を歩いていた。川沿いだ。

「参ったな、侵入禁止地区に入ったか?
おかしいな、金網があるからアラームが鳴らなくても、ぶつかる筈だが」

と振り返ると。金網の大きな門が開いていた。
 何かの物資の搬入や、その他のトラブルなど開いている事はあるが。大抵、警備員か警察か警備ロボットが立っているものだ。
それすら見当たらない。
サボり?な訳ないか。

 そう皆、自分の気に入った仕事をしていて。
それなりの給料を貰っているのだ。
職責と言うのは徹底的に教え込まれると聞く。
 だから、サボりなど無い筈だ。
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