3話6頁

文字数 621文字

そう俺が反論すると、ドラゴンは真剣な顔で。

「俺達は反政府組織だがテロリストではない。
我々の目的は人類の開放、自由世界への解放だ。今の管理社会を倒すのが目的だ。
人など殺さない。我々の闘争の意味がなくなるからな」

「よく言うよ。昨日、労働街で爆発事故が、
あったと聞くぞ」

「あれは、製薬工場の破壊が目的だ。
死んだのは警備ロボットだけだ。
夜中だから、人はいなかったよ。
それに・・・あれは、お前を救出する為の陽動作戦だった」

「はぁ〜?」

 俺は、素っ頓狂な返事をしてしまった。
ドラゴンは笑ったが、それが何故なのか分からなかった。しばらく間が空いてしまった。
 すると、

「済まない。お前を見ていると、お前の母さんを思い出してな。似ているよ色んな所が。
育ててないのにな、考え方まで似ている」

で言葉を切った。
 その時、俺には複雑な心情が渦巻いた。
母親に会いたいのか?俺は・・・
分からなかった。
 だが、

「いるのか・・・?」

と聞いてしまった。すると、

「死んだ」

とドラゴンは答えた。
ドラゴンは大きく溜息を付き深呼吸をすると、

「3年前だ死んだよ。話しても信じてもらえないだろうと、話す気はなかったが。
お前の母親の事だ、知る権利があるな。
だから話そう。
俺とお前の母さんは、お前が産まれた時は、
俺がさっき言った、製薬会社の研究員として
働いていた。お前の母親、和美も同じ会社の社員だった」

「死んだのか・・・」

 俺は、何故かショックを受けていた。
母親は早野明美、唯一人の筈なのに。
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