3話12頁

文字数 664文字

 俺がここにいれば、この人達にも迷惑をかけてしまう。ここまで育ててくれて愛してくれたこの両親を苦しめてはいけないと思った。

「分かった・・・仲間になる。それしかないんだろう」

と返事をした。
 ドラゴンは喜ぶかと思えば、一回目を瞑り。
悲しそうな顔をして。

「そうか・・・」

と言った。

 ✳ ✳ ✳ ✳

 そして俺は更に地下にある場所へと下りた。
そこには巨大なチューブがありシャトルの様な金属の乗り物があった。
体を寝かせて乗る為のカプセル状の物だった。

「これは脱出用シューターだ。
嘘が本当か時速3万キロ出るらしいが。
安全性が確認出来てないので時速3千キロ辺りに設定してある。
2、3時間でヨーロッパ本部に着く。
お前はヤマトと共に行け」

「ヤマト?」

「そうだ、奴はお前の家を破壊したのを、
防犯カメラに撮られていた。
最早、更生院には戻れない。
お前と共に戦闘訓練を受けてもらう」

 そう聞いても、何も感じなかった。
俺は先に射出されるヤマトを見送ると。
10分待って、次のカプセルに乗り込んだ。
 ドラゴンが、

「最初の加速はきついが。
後は列車に乗っている様なもんだ。
気を付けてな」

と言って、蓋を閉めた。
とても狭いカプセル内に俺は身体を固定した。
 すると中で、無線だろう声が聞こえて。

「これから射出します。体を固定。
 首を動かさないで。グッドラック」

と言うと。
 キューィーン!と言う音が聞こえて。
一瞬で何処かへ向かってチューブの中を、
射出された。
俺は目まぐるしい、
外の灰色の景色を見ない様に目を瞑った。

 何処へ・・・。
 俺の人生は向かっているのだ。

 第一部、完。
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