3話9頁

文字数 652文字

 リュウジ?!俺の本当の名前・・・。

「あはは、公安は何を考えているのやら。
俺のコードネームをドラゴンとした。 龍一だからかな?」

 俺は冷静に、

「分かった、産みの母親がどういう経緯で死んだのかはな。あんたが苦しんだのも分かった。
だけど、俺達を巻き込まないでくれ。俺は今のお父さんとお母さんと一緒に家へ帰る」

と俺はドラゴンに言った。
 ドラゴンは悲しそうな顔をした。
俺はグッと胸が締め付けられた。
だがこれ以上、この人と関っても俺達には何の得もないと分かっていた。
 すると奥の扉が開いて、

「ドラゴン時間がありません!後10分で話をつけて」

と飛び込んで来たのは、ヤマトだった。
 俺がお前・・・と睨むと。

「おや、お坊ちゃんは、まだ駄々をこねているのかな?」

と言った。
 俺は立ち上がると、何か言おうとしたが。
ふと、彼がここにいると言う事は、ドラゴンの仲間なのか?!と唖然とした。
 するとドラゴンが、

「しばらく待て。お前だけでも先に行け」

と命令した。ヤマトは、

「了解」

と扉を半分開けて、体を傾けて話をしていたのを戻すと。ドアを閉めて行ってしまった。

「ヤマトも仲間?!じゃ、俺は家に戻れるのか?」

とドラゴンに聞くと。

「時間が無い。端的に話すな。お前の家は無いお前の情報を全て消去する為に燃やした。
お前の父母は・・・俺達、反政府組織に拉致された事になっているので、後で戻ってもらう」

「何だと?俺は!」

「お前は既に反政府組織のメンバーだ。
公安ではな。コードネームまである、キリンがその名だ」

「ふざけるな!」

俺は叫んでしまった。
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