2話2頁

文字数 646文字

 警察官はちょっと笑顔が曇ったが。
機械にそれをかけると、

「ID見せて」

と言った。
 俺は座る様に言われて、警察官の前に机越しに座ると。もう一人の警察官がコーヒーを持ってきてくれた。とても美味しかった。
やっと、まともな世界に戻れたと思ったのだ。
 すると、機械を見ていた警察官が、

「う〜ん、困ったな。君のIDは失効しているよ」

と言われた。
冷水を頭から被せられた様な気持ちになった。
血の気が引くとは、この事なのだなと、初めて知った。

「ど、どういう事です・・・」

とコーヒーを持つ手が震えたが。
ようやく、そう聞けた。すると、

「君、無断外泊したね。しかも外層街で」

「がいそうがい?」

「我々はそう呼んでいる。君達は下層民とか、貧民街とか呼んでるけど。人権擁護の観点から我々は外層と呼ぶよう、義務付けられているんだよ。しかも、唯の迷子なら良かったんだが。昨日はまずかったな」

「何故、昨日はいけなかったんです?」

俺が焦って聞くと。警察官は困った顔をして、

「無断外泊が友達の家とか歓楽街で、違法飲酒とかだったのなら。更生院で2、3日研修を、受けるで終わってたんだけどね。外層街で、
しかも昨日の事件の時いたのは、まずいよ。
兎に角、公安が来るから待っててね」

「公安?!」

「怖がらなくて良いよ。無罪が証明されれば。更生院に行く事になると思うから」

「な、何があったんです?!!」

俺が思わず叫ぶと。
 警察官はしょうがないなと、

「昨日テロがあった。ドラゴンのな」

と言った。すると、もう一人の警察官が、

「おい!やめろ」

と止めた。
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