2話9頁

文字数 662文字

 その頃、俺は歩いて、何処をどう歩いたかは分からないが、歓楽街に来ていた。
ここも国が管理する場所である事に、変わりはない。たまに犯罪が起きて、一斉捜査が行われたりするが。最近はニュースにすらならないのだから、平和なんだろう。
 俺は人通りの殆ど無い道を歩いていた。

 まだ昼過ぎだ、定食屋や喫茶店などは開いているが、飲み屋はまったく開いていなかった。
 大昔には、朝から酒を飲む人がいたそうだが今はそんな事はない。
 本当だろうか?俺は疑問が湧き上がった。
今まで考えた事もなかった。
そして何故、疑問を持たなかったのだろう?
と不思議に感じていた。

 学校で教える事は絶対。
親の言う事も全て真実。
テレビも雑誌の記事も、何の疑問も持たずに、俺は受け入れていた。
友達との会話でも、疑問を持つような話は無かった。それが真実だから。その考えの何処がいけないのだろうか?
 俺は自分の立場を忘れる為に、今のこの世の中の事を疑問視していた。

 おかしい!何かが!何故1日で・・・。
テロリストって何だ?
ニュースでも新聞でも見たことが無い。
先生からも聞かなかった。
突然、現れたのか?突然。
そして俺は巻き込まれた。
そうか・・・、ならば仕方がない。

 俺は何処に行くあてもなく。路地裏には入らず大通りの隅で壁にもたれて座り込んだ。
何をやっているのだ俺は。
兎に角、早く捕まえてほしかった。
俺は運が悪かっただけさ。
まあ、こう言う事もあるのが人生さ。
やり直せば良い。
 俺は、どんどんポジティブに考えが変わっていった。
 立ち上がって、自分で警察に出頭しようかとすら思った。
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