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文字数 614文字

 誰も返事を返さない。
まずい何処に連れ込まれたのだ。
多分、俺の事は親父やお袋が警察に届けている筈だ。直ぐに迎えが来る。
そう思いながら見えない道を歩いていた。
 だが、何時間歩いても。
(そう思った。腕時計も暗くて見えない)
俺は街の灯りに近付くどころか、ナイトタイムになり真っ暗な空間に取り残されてしまった。
俺はしゃがみこんだ、川の水の音が聞こえた。

 寒い、俺は震えていた。
街は道路が温熱を出しているので、地面が冷たいと感じた事は無かった。
だが、ここは何も無い。風まで吹いてきて俺は淋しさと恐怖、そして温度で寒くてガタガタ震えていた。
何故か街のあった方角(良く分からない)も
まったく灯りがついていなかった。
街灯もである、家の灯りも。
何があったと言うのだ。

 俺は、このままでは死ぬなと思ったら。
前からジャリジャリと足音が聞こえた。
ふと見上げると、暗がりに慣れた目で二人の男が立っているのが分かった。
 男だろう、この汚れた格好では、女性か男性かなど判断つかなかった。
汚れた格好と思ったのは臭いでだ。
暗くて人がいると分かっただけだった。
 すると一人の男が、

「立て家に来い。このままじゃ凍死するぞ」

と言った。凍死の意味が分からなかった。
 俺は彼らの後に続いて歩いた。
何処にあったのか、川沿いの道を下ると家があった。まるで隠しているかの如くで、木や草が覆い隠していた。
まさに時代劇のワンシーン。俺は完全に時代劇の世界にトリップしてしまっていた。
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