2話8頁

文字数 567文字

 早野寛(旧)が家を出た後。新しい早野寛は携帯電話を掛けていた。

「はい、現れましたキリンです。
かなり憔悴して、出てゆきました」

すると相手は、

「嫌な役目だったな。君も急いで脱出してくれ。キリンは我々でピックアップする」

「了解です。では、お気を付けてドラゴン」

と電話を切ると彼は、電話を種類別ゴミ箱へと捨てた。直ぐにダストシューターが作動して、携帯電話は何処かへ消えていった。
 そして旧、早野が消えた後、家では新、早野が服を着替えて家を出た。そして、

「あれから30分。もう良いだろう」

と言うと。ポケットからリモコンの様な機械を取り出してスイッチを押した。
 ドン!と言う鈍い音で、早野邸の中で火事が起き。それを確認して去る、新、早野が道の向こうに見えなくなった頃に。
 ドカン!!と言う大爆発が起きた。
家は粉々に吹き飛び、全てが火に包まれ。
何もかも燃えてなくなってしまった。
庭の隅に設置されている消火用スプリンクラーは、何故か作動せず。

 広い敷地の家の並ぶ住宅街では、隣の家にすら何の被害も無く。
消防署の航空消化艇が来た時には。
既にブスブスと煙を出すだけで、火は鎮火していた。
 警察が来て、何かしらの証拠を見付けようと現場検証をしたが、何も見付からなかった。
公安の者達もやって来て、焦げた木材やその他の物を見て、渋い顔をした。

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