3話7頁

文字数 719文字

 ドラゴンは突然、笑顔で、

「腹減ったな。まさか、ここまで長くなるとは思っていなかった。あっちで飯でも食おう。
大した物は無いがな」

と勝手に奥へと歩きだした。
俺はトボトボ付いて行った。
 途中他のメンバーがドラゴンに、

「時間がありません、お急ぎ下さい」

と言った。ドラゴンは、

「兎に角、準備を」

と何の準備なのかは言わずに、そう言った。
そして俺に振り向いたが、何も言わなかった。
 奥の扉を開ける時ドラゴンは、

「お前に会って欲しい人もいてな」

と言った。
 誰だ?こいつの更に親玉か?
とビビッていると。
そこには!本物の親父とお袋がいた。

「親父!母さん!」

何故か、お袋だけ丁寧に言ってしまった。
 俺は二人の腕の中へと体を預けて三人で抱き締めあった。

「無事だったか」

「大丈夫?」

親父とお袋が言ってくれた。俺は、

「父さん、おかしな連中に連れて来られて、
酷い目にあったよ。帰ろう家へ、父さん達も
連れて来られたの?」

と聞くと。親父は困った顔をしていた。
 お袋も何か隠し事でもしているかの様な顔をしていた。そして親父が、

「連れて来られたのでは、ないのだよ・・・」

と済まなそうに言った。
俺は震えがきていた、まさか・・・。
 するとドラゴンが、

「お前が早野家に5歳の時連れて来られた様にうちにも5歳のヤマト君がお前が連れ去られた後にやって来た」

 俺はテーブル席に座り、ハンバーガーを頬張るドラゴンに怒りの目を向けた。
ドラゴンは俺にも食えと勧めた。
それが腹立たしかった。だが良い匂いがして、俺はドラゴンからハンバーガーを受け取ると。コーヒーも貰い、席に座るとガツガツと食べた今までに食べた事の無い、まるで素人が作った、がさつな味だったが。
 何故か、懐かしいと思ってしました。
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