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文字数 542文字

 この、チョウさんと言う人、中々の人で。
売上の半分しか俺達から利益を取らない人で。
材料費とか車とか調理器具とかの、レンタル料を差し引いても。人一人暮らすのには充分な稼ぎが貰えた。
 飲み代も、チョウさんの店で飲むので大してかからない。身内という事で出前の手伝いを
2回もすりゃ、タダで飲ませてもらえた。

 チョウさんの店は、大きな中華料理屋だった。世界政府の管轄の頃より、政府御用達で
かなり儲けていたそうだ。
やはり世界政府は裏表がありやがる。
 今は広く民間人とも商売をしているので。
政府の役人や公安などは、殆ど来なくなったと言っていた。

 俺はこの生活が気に入っていた。
元々はロケット技師に成りたかったのだが。
何の因果かいつの間にやら秘密組織の戦闘員。
それもリストラされて、今やワゴン販売員。
なんとなく、落ちたなと思えた。

 だが戦いよりはマシだ。銃撃戦で相手を撃ち殺すよりは生産的だ。
しかも相手は完全防弾装備。こっちが10人
やられるところで、一人倒せりゃ良い方だ。
 世界政府はそれすら無駄と思ったか。
最近は強固なロボット兵を差し向け。
こっちの武器など、水鉄砲ぐらいにしか感じていない。

 という訳で、爆弾で一掃する事が多くなっていた。世界政府も反政府組織も人的戦闘員など要らなく成っていた訳だ。

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