5頁

文字数 658文字

 するとスミスは、首をゆっくり横に振り。

「いやいや違うのだよ。VIP待遇が気に入らなかった様でね。部下を何人か怪我させて脱出をはかったので、こういう風に縛っておいたのだよ。流石、天翔ける戦士だね暴れ馬だよ」

とニヤニヤ笑った。俺は大きくため息をつき、

「バーカ、助けが来るまで大人しくしてろ」

とユニコーンに言うと。龍二は、

「うるせぇ」

と言った。俺はまだ言い返す元気があるなと、安心した。と、そこで、

「あのさぁ、ユニコーンで思い出したけど。
俺だけ何でキリンなの?格好悪いじゃん」

と龍二を見ていった。龍二は何を?
と言う不思議そうな顔をしていた。
 スミスも、この男何を言っているんだ。
何かの暗号かと困惑顔だった。俺が不貞腐れた顔をしていると、龍二が啞然としたように。

「お前まさか、キリンって、あの動物園で保護されている、首の長い奴の事を言っているのか?」

と言うので、俺は頷き。

「そうだよ、架空の伝説のカッコ良い動物の名をつけているのに。何で俺だけキリンなんだよお前さぁ、龍二って名前やったんだから。
ユニコーンって名をくれよ。ここに名付け親もいる事だし」

と言うと。ふーっ、と龍二はため息をついた。そして、

「お前なぁ〜」

と何か言おうとしたら。

「アハハハ」

とスミスが大笑いし。

「キリンの縄を解いてやれ。人質は一人で充分だよ。元よりユニコーン君が暴れなければ、縄を解いていいよ」

と言った。龍二はスミスに頷いた。
 そして、二人は縄を解いてもらったが。
ボディーガード達が手に手に、大口径の拳銃を握り見せられ。
無言で、大人しくしろと睨まれた
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み