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文字数 640文字

 メンバーの一人に、今度は家の裏口へと案内された。物資の搬入で、ホロ付きのトラックが停まっていたので。その荷台の下側の隠し扉がある、倉庫の様な狭いスペースに。二人で身体を屈めて入った。
 車は俺達を乗せて走り出し。
しばらくガタゴト揺れていると、車は停まり頭の上の隠し扉が開いて。運転手の仲間が、

「ここからは、歩いてくれ」

と言われた。龍二はサッと降りたので、俺も続いて降りた。河原の堤防の上だった。
龍二の車までは、かなりあるが。人気が無い所なので誰からも止められる事も無いだろうし。
防犯カメラも無かった。

所謂、下層民街の外れと言えた。
 俺達は世界政府と付き合う為に、世界政府の一部と成ってしまったのだ。
果たしてこれで勝っていると言えるのか?
と思えた。

 ポツポツと歩く龍二、俺は途中止まると、
大きく深呼吸をした。この辺りは川原なので、空気が良かった。世界政府は環境汚染を嫌がるので、川はとても綺麗なのだ。
 川原には、菜の花やタンポポが咲いていた。

「ねぇ、龍二」

と聞くと。龍二は立ち止まり振り返った。

「何だよ」

俺は近寄ると、

「何処へ行く?下層民街が安全じゃなけりゃ、何処へ行くんだ」

と聞くと。

「うん?繁華街」

「えっ?あそこは世界政府の管轄だろ?」

「今は殆ど民間企業の店だらけだ。一応警察が来て違法営業はないか検査するが。
そこはそれ、世界政府も人の事言えないから。
まあ適当さ」

「そうなのか・・・」

「それに、警察にも仲間いるから、大した事ないよ」

「成る程ね」

俺は安心して龍二に、付いて行った。
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