第二部・帰ってきた男

文字数 647文字

 あれから10年の月日が流れた・・・。
早野寛はネオ東京国際空港に降り立った。

「ああ〜、10年ぶりかぁ〜」

 そう言うと検閲所へと向かった。

「IDを見せて下さい。それと旅券を」

と言われ、早野は検閲官に提出した。
 そして、言われてもいないのに。

「早野寛。東京へは仕事できました」

と大声で言った。
 何だ何だ?と他の旅行客まで早野を見ていた。すると検閲官は煩い奴と顔をしかめたが、IDを調べるタブレットを見ていて。
 最初の一文字が大きく赤く表示されているのを見て、顔色が恐怖で曇った。

そこには注意書きとして、
 『最重要、指名手配犯。早野寛、コードネーム、キリン。テロリスト』とあったのだ。
 だが検閲官はまた始まった。
これで20人目だ。この間も俺はドラゴンだと名乗る、いかれたおじさんに振り回され。
公安に電話したら、ドラゴンは捕まった。
偽者だ!と怒られたばかりだった。
捕まえたなら捕まえたで、何故ニュースにしないと、心の中でボヤいたものだ。

「あなたこのIDは・・・偽物でしょう?
早野寛は指名手配されてますよ。
同姓同名ですか?良くパリから飛行機に乗れましたね」

と事も無げに聞いた。
 偽IDで遊ぶ輩かもなと思ったのだ。
まったく平和な事で。
世界政府は何を取り締まっているのやら。

「はい、本物の早野寛です。
パリでは仲間の手引きで、上手く乗りました。
方法は話せません」

 (まだ言うか!?)
と検閲官が困っていると。騒ぎを聞きつけた、
制服警官とスーツを着た男。
合計4人が銃を構えて、後ろから野次馬をかき分けてやって来た。
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