外層民、2頁

文字数 638文字

 そこで、ハタと気が付いた。

「おい!あんたら、自分の生んだ子供を育てているのか?世界政府のクセに!」

と言うと。ニヤリと笑い、

「上層部の者の大半がそうしているよ。
民衆のみが、更生院から又は幼年院から、
子供を貰っている」

 何だか難しい単語が並んだが。俺の良く知っている施設の名前だと理解できた。

「ひでぇなぁ。まあ、お陰で俺達の戦いに意味があると分かったがな。結局、人は人として
自由に生きたいを、あんたらが証明している訳だ。アハハハ」

俺は大袈裟に笑ってやった。
 と、その時!
ガーン!ガーン!と銃声が後ろで聞こえた。
俺と龍二は、身をすくめ体を低くしていた。
戦闘モードだ。銃は俺達に向けられたものではなかった。振り返ると、反政府組織の幹部5人が立っていた。どいつもこいつも不愉快な奴等だが。わざわざ戦闘員を使わず直接、自分達で俺達を助けに来てくれたのかと、嬉しさが込み上げていた。

「キリン、ユニコーン!無事か!」

と聞いてくれた。俺は素直に、

「有難う、助かった」

と礼を言った。
 すると、更に1人がガーン!と
銃をぶっ放した。
スミスが机に突っ伏していた。

「何て事を!?」

 俺は何故か驚いて、スミスに走り寄って。
無事かどうか確認していた。
 幹部連中が口々に、

「キリン!やめろ!」
「危ないぞ!」

と叫んだ。少なくとも、スミスは武器を持っている様に、俺には見えなかったのだ。
 俺はスミスを起こした。肩を撃たれていた。
スミスは引き出しを半分開けていた。
そこには銃が見えた。
 幹部の判断は確かだったのだ。
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