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文字数 607文字

「救出作戦は?俺も行きます!」

と言うと。河野さんは困った顔をした。
 そして、

「今本部の指示を待っている。しばらく待て」

と言った。俺は、カーッと怒りが起きた。
そうやって間に合わず、ヨーロッパでは仲間が海に捨てられたり、山に埋められたりしているのだ。相手は、人殺しなど何とも思っていない連中だ!

「今すぐ何とかしないと!どうせ、何処かの
アジトにいる筈だ!」

と俺は、今にも飛び出しそうとした。
 すると河野さんが、俺の服を乱暴に掴むと
怒った様に。

「お前も狙われている!下手に動くな!」

と言った。
俺はその気迫に圧されて、黙ってしまった。
そして、河野さんは、

「兎に角、調べている。あいつらの動きは分かりやすい。1時間で調べてやる。兎に角、
ここで待て。そして身を隠す準備をしろ」

と拳銃を渡した。俺はそれを受け取ると腰の後ろにさした。
 それから、何人かのメンバーが残り。
全員手榴弾と小銃を持って武装していた。
敵の攻撃に備えたものだった。 
 まさか日本で銃撃戦など・・・。
俺はそう思っていた。

 この2ヶ月平和に過ごしていた。我々の武力闘争は終わっていると認識していたのだ。
 だから親父が、早野の親父が、昼飯を食いにハンバーガーとコーヒーを食いに来ても。
俺は笑顔で応対していた。

たまに、お袋も来てくれて、お手製弁当を作って、持ってきてくれたりしていた。
 俺は平和な日本で、このままこうやって、
過ごせると思っていたのだ。
 甘かった・・・。
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