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文字数 620文字

 警官は、ため息をつくと、

「そうやって、ドラゴンも捕まったんですよ。気を付けて下さい」

と言った。
 警官は早野を裏口から出してくれた。

 ✳ ✳ ✳ ✳

 警察署の裏道を歩いていると、後ろからプップッとクラクションを鳴らす、ワゴン車が近付いて来た。
俺は立ち止まり振り返った。
その車は俺の真横で停まった。
 車は弁当などの移動販売車だった。
最近の世界政府は、俺達の戦いもあって。
こう言う、レトロなものも販売許可を出していた。ある意味、俺達の成果と言えた。
管理社会は少しずつ自由社会へと成っていっているのだ。
 運転席にはヤマトが乗っていた。俺は、

「あら〜、ユニコーン。いつから弁当屋始めたの?」

と聞くと。

「こっちに来てからな」

と返事があった。俺は助手席に乗ると、

「儲かる?」

と聞いた。龍二はヤマトとは今は、名乗っていない。公安コードネーム、ユニコーンと、我々組織では呼ばれていて。
指名手配書には大山龍二となっている。
俺の本当の名前になる筈だったのだが。
 ドラゴンは何故、連れ去られた子供に名などつけたのだろうか?
それが今でも不思議だった。

 母親の願いだったのだろう。俺はその名には何の拘りが無いので。ヤマトにくれてやった。
 ヤマトはいつもこう言う。元々俺の名だ、
勝手にやったとか言うなよと。
 あはは、すいませんね。

「結構」

と龍二は言った。普通は龍二と呼ぶ。ヤマトは世界政府のつけた名だからだ。
 何にしても、敵から沢山の名を貰っている事になる。変な話だ。
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