龍二拉致・救出作戦

文字数 730文字

 龍二が車を走らせ、何百メートルか行くと。人気のない路地裏で前から車がやって来た。
 黒塗りのバンだった。龍二は、

「珍しいな、こんな所で対向車なんて」

と思っていると、車線をはみ出し真正面で停まった。慌てて急ブレーキをかけた。すると車からスーツを着た男二人が降りてきた。

「何か、まずいな」

 だが龍二も寛も、既に武器など没収されて持っていなかった。さてどうしたものかと後ろを見れば。2台の車が道を塞いでいた。更に前方にも2台、計5台の車で包囲されていた。

「どうやら、年貢の納め時かな」

 龍二は急いで携帯を取り出し、アジトに連絡しようとしたが、妨害電波で何処にも繋がらなかった。龍二はメールを送った。無駄かも知れないが、

「捕まっちまった。寛、後は頼む」

 どの道、送れないが。携帯電話を捨てれば誰かに拾って貰えるかもと、そのまま保存した。
 龍二はゆっくり車を降りた。10人近い男共が銃を構えて龍二を囲んでいた。
 一人の男が龍二の前に歩み寄った。
髪は銀髪でオールバック。サングラスをかけていた。彼は英語で、

「ユニコーン一緒に来てもらおう。無駄な抵抗はするなよ」

と言った。龍二は、

「武器持ってないから」

と言うと。

「天翔ける戦士、ユニコーンも地に落ちたな」

と言われ、龍二は、

「あらぁ、格好イイ言われ方してるんだな。
あはは」

と軽口を言うと。黒塗りのボンゴに乗せられ、手錠をかけられた。
龍二は、これがこの世の見納めかなと思った。
 男達のリーダー格は、龍二の車を調べ。
携帯電話を見付けたが、ニヤリと笑い。
そのまま放置した。
 そして男達は、龍二を連れ去り。何処かへと去っていった。

すると、龍二の携帯電話に着信が入っていたが誰も出るものもない車の中で、虚しく呼び出し音だけが鳴っていた。
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