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文字数 935文字

 俺は銃口を幹部達に向けた。
すると、他の幹部達が全員俺に銃を向けた。
その時、ユニコーンが、

「止めて下さい!やめて!」

と幹部達の手を、身体を呈して払った。
 そして俺に、

「いい加減目を覚ませ!お坊ちゃん!
馬鹿な真似はするな!」

と叫んだ。俺は委細構わず、幹部の1人に向かって撃った。
 ガガーン!
ウッ!と言って、幹部は肩を押さえた。
 彼らは戦闘員ではない。まさか俺が撃つとは思っていなかったのだろう。
狼狽えるのが分かった。俺は本気だと銃を構える他の者達を牽制した。
 ユニコーンはそれでも、身体を俺と幹部達の間に入れて。

「やめろ!やめるんだ!
仲間割れをしている時ではない!」

と叫んだ。
 俺はスミスの腕を肩に回して担ぐと。
銃を構えたまま、

「この男に聞きたい事がある。
その後は、どうにでもするがいい!」

と言って。机の後ろの扉から出て行った。
 幹部からの銃撃はなかった。
それだけが救いだった。
 廊下を歩いていると、傾げたスミスが気が付き歩き出した。
そしてポケットから、何かのスイッチを出して押した。俺は、

「何をした?最早、あんたの負けだよ。
俺達の軍隊が大挙してくる。
ところで、ここは何処だ?何処の国だ?」

と聞くと。

「そんな事も、知らされてないのか」

と答えたので。

「知らないから。俺を囮にしたんだろ。
反政府組織は」

と言うと。

「そうだったな。ここはフィンランドだ」

と言った。

「ふ~ん、よく知らん」

「あはは、君はバカだね」

「悪かったな。ところで、何のスイッチを押した?」

「基地の自爆装置だ」

とスミスは、澄まして答えた。

「バカ野郎。まだ仲間がいるのに。あんたらもだ。まあ、悪党の最後らしくていいよ」

と言うと。

「仲間が、いるのかね?」

スミスはニヤニヤ笑って聞いた。
 その意味が深くて、肩を貸している俺は、
顔の近いスミスに、

「そうだな、何もかもふっ飛ばしたい気分だ。当然、親父もな」

と言ってやった。

「アハハハ、良い答えだ。あはは」

 とスミスは俺を引っ張り、廊下の途中の扉を開けると。

「そこに医療キットがある。箱ごと持ってきてくれ」

と言うので、壁にスミスを寄り掛からせ座らせると。医療キットを取り再びスミスの肩を担ぎ医療キットを手に持ち歩いた。
 そして、廊下の突き当りのエレベーターに、
二人で乗った。
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