布石2頁

文字数 878文字

 あれから1年、俺と龍二は外層民、文字通り世界政府以外の世界にいた。
と言っても、小さな村だ。
 ヨーロッパで外層民(下層民とは違う)
の村に連れて行かれた俺達は。そこで色々説明を受け。そして、日本にある第3勢力、外層民の村へとやって来たのだ。

 一部の下層民、反政府組織の手助けもあって飛行機で日本に帰ってきた。俺達は直ぐに河野さんに連絡を入れ。河野さんが出してくれた車で人知れず、その村まで行った。

 世界政府及び反政府組織では、俺達はあの敵の基地の爆破の時に行方不明、死亡扱いとなっていて。それにより幹部連中は面目を保った様だ。嫌だね大人は。
 何にしても俺達は自給自足の生活の為に、
農作業や牧畜に精を出していた。考える暇もない毎日だった。
 俺は村の若い女性と知り合い結婚した。
俺は、この場所で第二の人生、第三か?
を歩むのだなと思っていた。

 龍二は反政府組織の有志の者と、たまに会って話をしたり、支援を受けたりしていた。
 奴はまだ、ドラゴンに拘っていたのだ。あのクソ親父も、あの爆発から逃げたのだろうが。

 果たして、この世界はどうなる事やら。
だが最早、俺には関係無かった。
 こうして、2年3年と過ぎ。
世界政府の管理社会も緩やかになっている様だと龍二が教えてくれた。
 俺も子供が産まれ親父になっていた。
女の人と暮らすのは、お袋以外は初めてだったので、戸惑う事ばかりだった。
ましてや子育てなどの未知との遭遇だった。

 俺は世界政府の町には近寄らなかった。
元より、車でも無いと何日もかかってしまう程の僻地にいたので。
早野の両親に孫を見せてやりたかったが、
それは無理な話だった。
 何となく、ドラゴンの気持ちが少しだけ分かる気がした。

 そんなある日、俺と龍二はとんでもない情報を河野さんから聞かされた。
久々に車でやって来た河野さんは、
こう言った。

「ドラゴン、大山龍一が、世界政府の大統領になったよ。しかも総本部のだ」

 俺と龍二は困惑で、顔が青ざめた。

「クソ親父め・・・」

 俺の中で静かに、怒りの炎が燃え上がった。

 第二部、完。


 令和2年1月初稿
 令和6年8月21日加筆修正。
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