3話11頁

文字数 670文字

 すると親父が、早野の親父が。

「ドラゴンの言う事は本当だ。
私達はお前の事を思って従ったのだよ。
我々も反政府組織のメンバーだ。
お前が学校にいるところを、たまにドラゴンは見に行っていたんだよ。
私達は彼の考えに賛同しメンバーになった。
公安はお前を捕まえて、
酷い目にあわせるだろう。
だから、私達も許せないんだよ世界政府が」

俺は泣きじゃくって何も考えられないでいた。
 すると、

「時間が無い!では聞こう。仲間となるか?
それとも、ならないか?」

とドラゴンが聞いた。俺は、

「もし仲間にならないと言えば、更生院にゆくのか?」

と聞いた。すると、

「最早それも出来ないだろう。
お前は指名手配されている。
今回の爆破事件の首謀者としてな。
事件があった時、無断外泊して下層民の町にいたとなればそうなるだろう。
お前を救う為とはいえ、済まなかった」

「今更・・・」

「だが、笑ったよ。本当は、川原で遊ぶ子供達を見付けて立ち止まる筈が。
それから200メートルも先へ行くんだからな
薬の効果は恐ろしいものだ。
仲間にならないのなら、この町下層民の町で暮らしてもらう。それも安全とは言えないがな」

俺はあの時、既に見張られていたのだなと
理解した。
だから薬を飲まされ眠らされたのか・・・。

「仲間になると言ったら?」

「ヨーロッパに行ってもらう。
そこに反政府組織の本部がある。
俺は極東支部の司令官だ。本部には戦闘訓練の為の施設がある。お前はそこで、武器の扱い方と言葉を習ってもらう。
世界中で工作員として働く為にな」

 俺は早野の親父とお袋を見た。
二人は涙を流して何度も頭を下げた。
俺の心は決まった。
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