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文字数 755文字

 スミスは穏やかな顔になった。
そしてモルヒネを勝手に手に取ると、怪我をしている方の腕に刺した。

「ふーっ、直ぐに痛まなくなるな。
5分と言うところか。では話そう、第3勢力と言うのは、世界政府にも反政府組織にも属さない者達の事だ」

「そりゃ下層民の事だろう。全員が反政府組織のメンバーじゃねぇよ。味方ではあるがな」

「まあ、聞け。私が眠ってしまう前に、
全て話しておきたい」

「分かった」

「君も知っての通り。下層民と言えども、
世界政府の一員だ。仕事も食料も水も政府が、与えたものだ。ただ従順に従うか政権を狙っているかの違いだけだ」

「早く、第3勢力の事をいえ」

「分かったよ、急がせるな。
150年前に我々の先祖が政権を奪った時。
君のような戦闘員や民間人の中に、何も変わらない政府に愛想が尽きたものが出てきた。
彼らは世界政府に失望して、人の住まない土地にゆき、村を作った。小さなコロニーさ。
それが第3の選択、第3勢力だよ」

「はぁ〜?どうやって生きてる、水や食料は?
衣類に住居は?まさか・・・」

「そのまさか、自給自足とは言ってはいるが。それも矛盾している。彼らは我々や下層民の
有志たちの支援で成り立っている。
今ではその村も、1つの町と言える程、人も増え大きくなり。世界中に点在すると言う事だ」

「知らないのか場所を?
世界政府とも、あろうものが」

俺はかなり強く言い寄った。
そうしないとスミスは、今にも寝てしまいそうだったからだ。

「関わらないと議会で決定した。
死のうと生きようと、我々は一切関知しない。そして向こうも、こちらを関知しない様に通告した。つまりまったく別世界の住人なのだよ」

と言って、寝てしまった。
 そこへ、ガチャリと扉を開けて男が1人やってきた。
銃を構えるその男は、ユニコーンだった。
 俺は腰にさした銃を取ろうとして止めた。
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