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文字数 635文字

 対面の二人がけの椅子に座る二人が俺を注視した。俺は笑って誤魔化そうと思ったが。
これから命懸けの戦いになるかもと思い、質問をしてみた。
 腹の中をお互いにさらけ出したかったのだ。
だから、ダメ元で、

「ユニコーンは、生きてると思うか?」

と英語で聞いてみた。すると欧米人が、

「本部は生きてると思っている。君を確保する為の餌にする為にね」

と流暢な日本語で答えて、ニヤリとした。
 そして、更に、

「日本語で話そう。その方が秘匿通話になる。ヨーロッパではな。奴らには日本語の分かる奴が殆どいないので翻訳に時間がかかるだろう」

と言った。俺は、

「あははは、面白い」

と答えた。
 すると、混血が日本語で、

「俺の名はマイク、山田。マイキーと呼ばれている。お察しの通り混血だ。更生院では苦労したよ。混血は卑しい者とみなされるのでな」

「そうだろうな」

「本部の者はどう思っているんだ?この作戦」

俺は作戦について質問した。
 すると、もう一人が、

「俺の名はガーディアン。コードネームだ。
本名は、まあ、いいか俺も不良だったんでな。世界政府の更生院から救出された組だ。
名前はあって無いようなものさ。里親を転々としたからな」

俺はギョッとした。
 そうか、彼らも俺と似たような境遇なのか。
世界政府の政策で生みの親に育てられてない。だから里親と反りが合わず、又は里親に気に入られずなどの、何かの理由で更生院に送られれば。最早、まともな職にはつけない。
 それが、この管理社会だ。
自由を謳う不自由な世界、それが世界政府だ。
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