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文字数 772文字

「早野寛、お前は指名手配されている。
逮捕する!」

と早野寛と名乗る男に銃を突き付けた。
 ザワッと騒然とする館内。
そして何故か検閲官は、バンザイするかの様に両手を挙げていた。
それを見て早野はゆっくりと手を挙げた。
 そして、

「ご苦労さま」

と言った。検閲官は、

「本物〜」

と呟いた。
 彼はこの空港が爆破されるのか?!
逃げるべきかと真剣に考えてしまった。
 すると、

「手荷物は?!」

と警官に聞かれ。急いでパソコンを調べ。

「有りません」

と検閲官は答え、安堵した。
 すると制服組が客を下がらせて、スーツ組が乱暴に早野のボディーチェックをした。
そして早野に手錠をはめると、空港警察の部屋へと連れて行こうとして。
早野のIDを警官が受け取り去っていった。
 早野は、連れて行かれながら、

「はい、大丈夫ですよ〜、悪党は捕まりましたぁ」

と笑顔で言った。
 客は引きつった顔をして、ゴソゴソ小声で話していた。それを見て警官は、

「黙れ!」

と早野を引っ張って。
急いで部屋へと連れ込んだ。早野は、その場では何の取り調べも受けずに。
二人のスーツ組に、空港の裏口から護送車に乗せられると、近くの警察署へと連行された。

 檻の中か取り調べ室かと思えば。
一人の警官がドアの前で廊下に立ち。
一人が早野を連れて会議室へと入った。
 その警官が、

「キリン、何で、こんな真似を」

と小声で言いながら、手錠を外した。
 早野は、

「いやね、日本の公安のチェック能力を見たかったのさ。それに警官の仲間がどれ程いるのか確かめたくてね」

と平然と言うと。

「私が、たまたま勤務だったから良かったものの。警察にも公安のスパイがいるのですからね監禁されたらどうするつもりだったんです?」

「あはは、その時はラスボスに会えるかもなと思ってな。尤も、そんなに簡単には出てこないのかな?まあメンバーが救出してくれると、
安心していたよ」
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