共鳴(5)

文字数 290文字

 後になって考えるとやはりこのころから始まっていたように思う。

 なぜ好きになったのか。なぜ好きになってしまったのか。なぜ愛してしまったのか。

 始まりはこの頃だったはず。

 きっかけはわからない。ただ相手から発信されたトーン信号の波長を私がキャッチして何かが始まった。その時は何かが起こりつつあることには全く気づいていなかった。

 私はただ忠犬ハチ公のように課長の後に従っていた。はじめは師弟愛のようなものだったと思う。

 叱られれば奮起し褒められればひたすら嬉しい。課長は私を導き守ってくれる存在。

 課長がいるから私は安心できるという感覚。絶対的な信頼感。そういった好意だったはず・・・
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