逃げ道(4)

文字数 413文字

「髪型・・・」

 ヒカルが私の髪を指さした。

「あれ?ヒカルも切った?」

 私は聞いた。

「うん。俺も。それ、すごくいいね。」

「ありがとう。」

 私は言った。

「今日飲みに行かない?」

 私はちょっと躊躇った後

「いいよ。」

 と言った。

「何時頃になる?」

 ヒカルが聞いた。

「19時頃なら頑張れば終われるかも。」

 私は答えた。

「じゃ、迎えに来るよ。」

「じゃあね。」


 日比谷のビルの地下にある店に入った。

「何か心境の変化?」

 ヒカルが私の髪型をさして言った。

「うん。そんな感じ。」

 私は言った。

「触ってもいい?」

 ヒカルが聞いた。

「いいけど。」

 そんな風に聞かれると照れ臭かった。ヒカルは私の髪の先にそっと触れた。

「柔らかいね。まっすぐもいいけどこれ本当に似合う。惚れなおした。」

「本当に口が上手いね。」

 私は言った。

「ヒカルもかっこいいよ。」

 お返しに言ったけれどそれは本当だった。ヒカルも心持ち短めになった髪がよく似合って男前が上がっていた。
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