函館(3)

文字数 509文字

「こんなとこ来て遊んでていいの?まだ就職決まってないんでしょ?」

 私は渡辺くんに言った。

「いいの、いいの。そのうち決まるって!」

 渡辺くんが言う。

「そのうちって4月はもうすぐそこじゃん。」

 私は言ってから

「まあいいけどね、私には関係ないし。」

 と付け加えた。

「あーあ、すげえ冷たい言い方!ネエさん、冷たいよ!」

 と渡辺くんが言う。

「ちょっと!そのネエさんっていう言い方やめてくれない?同い年でしょ、あんたがダブってるだけで。」

「あー、またまたそのトゲのある言い方。ネエさん、やめてよー」

 私をからかうように笑いながら言う。

「あー超うっとうしい。」

 私は結構本気で言った。

「あれ?サトミちゃんは?」

 ナオが言った。

「あれ?いないね。」

 と私が言った。

「トイレじゃないの?」

 キョウコが言った。私はトイレを見てきたがサトミの姿はなかった。

「違うよ。」

「どこか行ったんだろ。」

 渡辺くんが言った。

「消えた。」

 私が言った。

「あいつもいない。」

 ナオが言った。

「二人で消えた?」

 私は言った。

「大丈夫かな?」

 とナオが言った。

「まあサトミちゃんも大人だし・・・」

 キョウコも言った。しばらくそのままにしとこうという事になった。
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