Epilogue(2)

文字数 334文字

「さてと。俺達は久しぶりに銀座でデートしよっか。」

 ヒカルが言った。

「うん!」

 私はヒカルの腕を取って歩きはじめた。

「ヒカル?」

「何?」

「大好き!」

 私は両手でヒカルの腕を抱きしめた。

「なんだよ、急に。」

 ヒカルは照れくさそうに笑った。私も笑った。太陽がヒカルの髪に当たっていた。

「ヒカル?」

「ん?」

「何でもない。」

「なんだよ?」

「幸せになろう。」

「幸せでしょ。今も。」

 ヒカルは照れ笑いしながら私をギュッと抱き寄せた。

 これで良かったんだ。きっと・・・

 ヒカルと2人ずっとこうして並んで歩いて行こうと思った。終わりの日を思って泣かないように。

 松屋の脇から銀座線へ消える課長の姿が見えた気がした。本当に終わったんだ・・・

 心の中で呟いた。

「さよなら、課長。」


 END
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