Sweet September(8)

文字数 478文字

 いつのまにかまた眠りに落ちていた。ふと気づくと朝7時過ぎていた。課長はまだ眠っていた。

 寝顔が無防備に見える。こんな課長は初めてだけど愛おしい。この人が愛おしい。

 今この瞬間は課長は私のもの。私の傍で無防備な寝顔を見せている課長を奥さんは知らない。

 つい数時間前に私を狂喜させたように奥さんを抱くの?

 嫌…嫌。

 めらめらと嫉妬が沸いてくる。もうすぐ課長は帰ってしまう。奥さんと暮らす家へ。

 奥さんを抱く時も私を思っていてね・・・

 私はシャワーを浴びにベッドから出た。
 シャワーから出ると課長が体を起こして煙草を吸っていた。

「おはよう。」

 私は濡れた髪をタオルで拭きながら声をかけた。

「おはよう。」

 と課長も私に微笑みかける。

「こっち来いよ。」

 と課長が言った。髪をタオルで押さえながら課長の脇に腰掛けた。

「たまんないな。そんな姿。こんな美味しそうなもの・・・」

 課長はまた私を抱く。私もまたすぐに濡れた。

「綺麗だよ・・・かわいいよ・・・ミズキ・・・」

 絡み合い溶け合う体。私は課長の背中に激しく爪を立て喜びにむせび泣く。

 二人の朝はそうして過ぎていった。
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