流れ(1)

文字数 474文字

 4月からの新体制で支店の垣根を越えた異動があった。私たちもジョブローテーションで異動があった。

 私は銀座支店のカウンターになった。ナオはマコトと一緒に発券課。4月をまたずにマリはオーストラリアに留学してしまっていた。

 私は課長の配下を離れた。もう阿吽の呼吸でタッグを組んで仕事をする事はないと思うと寂しかった。私たちを結び付けたものはそれだったから。

 それでも同じ支店にいれば毎日顔を合わせる事が出来た。

 カウンターに異動してからは毎日が死闘のようだった。いまさらながらマリはよくやっていたと思った。

 幸いな事にカウンターの、苦手な先輩たちと交換でジョブローテーションになったので私は彼女たちと一緒に仕事しなくて済んだ。それだけが救いだった。

 カウンターの他のメンバーは廃止になった他の支店からきた男性の先輩ばかりだった。

 多少のやりにくさはあったにしろ私が雑用を一手に引き受けて細々と率先して動けばいいのでかえって女の先輩よりは楽だったと思う。

 それでも業務自体は今までしていた仕事とは全く違うので端末操作から覚え直しの必要もあって大変だった。
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