仄暗い世界
文字数 1,297文字
通信器が鳴って
本日の業務終了を告げる。
二人が乗ったトロッコが終点に着くと
様々なエリアを走っている多数のトロッコが
既にそこには到着しており
降車する者達で溢れ返っている。
みなポップやアットと同じく
この地下で働く者達だ。
そしてこの先にある
彼らの居住区まで連なって
歩いて行くことになる。
ここは異世界の
地下数千キロ深くにあるエネルギー施設。
地上の人間達が生きて行く上で必要なエネルギーを供給し続けるのが彼らの仕事であり
その為に、地下のクリスタルや鉱石などを毎日採掘している。
『セミ男』と呼ばれる彼らは、
この地下施設で働きながら七年間の時を過ごす。
ここにはそうしたセミ男達が一万人以上働いており、
日々の生活を送っていた。