神々の懲罰
文字数 1,533文字
容姿の美しいフェルは、
どの奴隷市場でもすぐに高値で売れた。
だが、喜んでフェルを買って帰る大金持ちはみな、数日と経たずに屋敷に賊が押し入って来て、命を落とすことになる。
賊は金品強奪と一緒にフェルを拉致すると、
ひとしきり嬲って、飽きた後、
また他の奴隷商人に売り飛ばす。
何十回目かの転生のとき、
フェルが扉を開くと、部屋には
一人の天使が待ち構えていた。
フェルの天使仲間ミルだ。
この部屋に居る時だけは
唯一口を聞けるはずなのに、
フェルは天使ミルの問いに応えようとはしなかった。
ただその代わりに、
憂いに満ちた悲しい
笑顔を浮かべてみせた。
そしてそのまま次の転生の扉を開く。