限りなく永遠に近い命
文字数 1,425文字
そんな彼もついに
安住の地を得ることになる。
魂が俯瞰的に見た像を
彼はそう捉えたのだ。
彼はその時そう思ったが、
そういう訳ではなかった。
そのことを認識する為には、
彼が意識下の範囲を広げられるようになる
その必要があっただけなのだ。
これまで彼が成った物は
すべて勇者でもあったので、
今度は彼は山の勇者ということになるのか。
その後も山の勇者となった彼が
意識が届く範囲を
無限に広げ続けて行った結果……
いつしか彼は
この星そのものになっていた。
星の勇者なのかもしれない。
まさしく星になった男は
限りなく永遠に近い命を得て、
これから五十億年もの間
何をして行くのだろうか……。