ペナルティポイント
文字数 1,552文字
廃墟の中で息を潜める勇者。
物陰から勇者がその姿を確認すると
やはりゴーレムの手には
巨大なマシンガンが握られている。
勇者がそんな考察をしている間、
ドン・ファンは廃墟の建物で
トイレに籠り切りであった。
さっき食べた古い宇宙食で
どうやらお腹を壊したらしい。
ドン・ファンが水洗トイレの
水を流す音が勇者に聞こえる。
ドン・ファンは
スッキリした顔をしていたが、
勇者はキレていた。
案の定、
何のセンサーが反応したのかは分からないが
傍に居たゴーレム一体が
そのわずかな音に気づき
勇者達が隠れていた建物に
手に持つ巨大なマシンガンをいきなり撃って来た。
家の中に居た勇者とドン・ファンは辛うじて
外へと飛び出したが
建物は一瞬で吹き飛び、
周囲に建ち並ぶ住宅も
蜂の巣になり大破しいている。
巨大な銃弾の雨あられを
かわし切れなくなった勇者。
時を止め、
勇者はドン・ファンを抱え、
瞬間移動でこの場を離脱する。
時が再び動き出すと
勇者はドン・ファンを地に置き、
浮遊能力で空を飛び回った。
三体のゴーレムは上空に向け
銃を乱射したが、
勇者の飛行能力が速く
的も小さいため当たることはない。
その巨大な弾丸はコロニーの内壁に当たり、
穴を空け、ただでさえ少ない空気を外へと流出させていく。