魁!ドラゴン道
文字数 1,455文字
黒龍率いる狂竜高校のドラゴン達に
いいようにサンドバックにされる
赤龍と青龍。
拳で殴られ、
爪で切り裂かれ、牙で噛み付かれ、
尻尾で打ちのめされる。
ドラゴンは、龍殺しの剣などの
専用武器でも使われない限りは、
基本的には不死身であったが、
傷つかないとか、傷がすぐ治るという訳でもない。
頭や体から血を流し
ボロ雑巾のように倒れる二人。
その時、白竜さんを
取り押さえていたドラゴン達が
次々と倒れ、白竜さんが解放される。
黒龍が慌てて振り返ると
バハムート先輩が
白竜さんを抱きかかえ
既に救出を終えていた。
憧れのバハムート先輩に
助けられ歓喜する赤龍と青龍。
そして顔を赤らめキラキラした目で
バハムート先輩を見つめる白竜さん。
まぁ確かに、
人質を取るドラゴンというのは
これまで一切見たことがない、
案外レアな状況であるのかもしれない。
何処に隠してあったのか、
赤龍と青龍はそれぞれ、
釘が大量に刺さったバットを取り出す。
どう考えても
武器よりも爪や牙、尻尾の方が強そうであるのに
何故よりにもよって
その武器をチョイスしてまうのか。
何故かドラゴン道にこだわる
バハムート先輩。
どう考えても
武器を禁止したステゴロの喧嘩に
武器よりも強いブレスは
卑怯だと思うのだが。
何を言ってるのか
ちょっとよくわからないのだが、
それは人間だからであろうか。
とりあえずブレスはOKと判明し、
赤龍と青龍は今までの鬱憤を
思いっきりブレスにぶつける。
敵ですらそんなの使ってなかったのに、
こっちの方がよっぽど
卑怯なような気がしないでもない。
そしてこれだけ熱くドラゴン道を語った
バハムート先輩だったが
その起源は巨大魚の幻獣だと言う……
今がドラゴン扱いなら
それでいいのだ、きっと。
兎にも角にも
狂竜高校のドラゴン達を
ブレスで一掃した赤龍と青龍。
しかし体を張って
助けようとした白竜さんは
もうすっかりバハムート先輩にメロメロ
しっかりとバハムート先輩の腕に
抱き着いて一緒に帰って行った。
ただ今青春真っ盛りの
ドラゴン学園一年生、
ヤンキーコンビ赤龍と青龍であった。