勇者ドラフト会議
文字数 2,251文字
深刻な勇者不足
これに業を煮やした各異世界は、
本来であれば間に入り、仲介やら斡旋を行う筈の神々や
その配下にある転生・転移エージェント達を素っ飛ばして
直接人間世界から勇者の人材を召喚、
青田刈りするようになっていた
その後は、
その異世界と候補者との
契約交渉が行われるが、
大概の候補者は交渉権を持つ
異世界へと転生して行く。
その肝心の神々は
このイベントの主催者で、
裏の楽屋でお茶を飲みながら
この様子を見ている訳なのだが。
神々本人達に直接言いに行った方が
早いような気がするが……
隣に居るのにLINEで
会話しているようなものだ。
大司祭が信仰するその神当人は
裏の楽屋で仕出し弁当を食べていたが。
こうして勇者ドラフト会議はテレビ中継もあり
それなりに盛り上がって終わった。
後日『テレビ異世界』では
ドラフト一位指名を受けた
勇者候補者の近況が放送される。