無機質なエロス
文字数 1,731文字
この本をこっそり
立ち読みしようとした若い男子が、
男の催眠洗脳能力の餌食となり、
魔王を倒す為の尊い犠牲となる。
青年の尊い犠牲の上、
図書館から脱出する本の勇者。
それから何十年も掛かり
何万人の手を渡り流れた本は、
ようやく魔王の関係者へと辿り着く。
そしていつも言わせている台詞に
さらに一言を付け加える。
献上された本を
魔王の女性副官が手にし、
中を見ずにそのまま魔王へと差し出す。
予想外にダンディで紳士そうな魔王が
副官である女性に渋い声で尋ねる。
女性副官は顔を赤くして答えた。
紳士な魔王は
女性副官にそう言って詫びる。
予想外の展開に本の男も
もうヤケクソになっている。
意外なことにこれが見事に効いた。