【悲報】勇者さん、早速同じ展開に飽きてしまう
文字数 1,124文字
空は澄み渡り晴れて、
果てしなく青い。
この世界を核まみれにしてしまった為、
リセットして、新たにやり直すことになった
ここまでは前回と変わらないが、
さすがにまた核ミサイルの雨を降らす
という訳にはいかない。
前回と大きく違うのは、
空に紋様は浮かんでいない。
異なる世界をつなぐゲートは
空よりさらに高度がある
大気圏外にその姿を現していた、
それも無数に。
しばらくすると空には
巨大な隕石が視認出来るようになり、
その姿は次第に大きくなっていく。
空は巨大な隕石群に埋め尽くされ、
やがて地上に激震が走る。
さらにその衝撃は止むことなくいつまでも続く、
果てがないのではないかと思われるぐらいに。
その衝突によって、大地はえぐれ、
膨大な量の粉塵が空を舞い、
すぐに空は埃まみれになった。
この世界でも
禁忌の術とされているメテオストライク。
広範囲に地形すら激変させ
この世界すら滅ぼしかねない、
その脅威的な破壊力を恐れた
人間そして魔族達ですらも、
その術を禁忌としたのだ。
だが今、それと同等の現象が
この異世界で起こっている。
それも絶え間なく、
天我の『
世界中の空が粉塵にまみれ
呼吸すらも困難な状態。
大気中を漂う微細な漂流物は
微小粒子状物質のカーテンとなって
太陽光を遮断する。
地上にはすざましく
甚大な被害が出ているが、
まだ今の段階で人類は滅んではいない。
一部人間の居住エリアには
隕石を落とさないように、
天我が調整しているというのもある。
そして勇者天我の作戦というのも
これで終わりという訳ではなかった。
天我を再度異世界に送り出してから、
転生の女神アリエーネは、千里眼を使って
行動を監視しようと思っていたのだが。
その意に反して、あれ以来、
まったくあの世界を見ることは出来なかった。
ずっと気になっていて、
事あるごとに千里眼を試してみたが、
その都度エラーで接続が出来ない。
数か月の間、
我慢に我慢を重ねて来たアリエーネ。
しかしついに、我慢も限界を迎え、
じっとして居られなくなった。