喧嘩上等!狂竜高校

文字数 1,044文字

……
バハムートさん、ちぃーすっ!
ちぃーすっ!

廊下の端で最敬礼で

頭を下げている赤龍と青龍。

一年生の彼等は

三年生のバハムート先輩を

心から尊敬、リスペクトしている。

おう、お前等、元気そうだな

ーーやべぇ、

バハムートさんに声掛けられたぁっ

ーーやべぇ、

バハムートさんに声掛けられたぁっ

一気にテンションが上がる二匹。


やべぇな、

バハムートさんに

声掛けられちまったわ、俺

はあっ?

バハムートさんが

声掛けてくれたの俺だっつうのっ

テメェ、殺すぞっ、ゴラァッ!

あんだと、テメェ、

上等じゃねか、コノヤロー

殺すぞっ、ボケェ!

まぁ、相変わらずの

赤龍と青龍ではあった。


そんな二匹がゲーセンで遊んでいると、

殴られて顔を腫らしたドラゴンゾンビが

泣きながらやって来る。

白竜さんが

狂竜高校の奴らに

攫われちゃったよっ!

狂竜高校とは

ドラゴン学園のライバル校であり、

両校の間では常に喧嘩が絶えず、

長らく抗争が繰り広げられていた。

つい先日も、赤龍と青龍が

狂竜高校の下っ端ドラゴン達と喧嘩になって

ボコボコにしていたのだが、


白竜さんを人質にして

その報復をしようというのだろう。

白竜さんを返して欲しかったら、

二人だけで河川敷まで来いって

たまたま白竜さんと一緒に居た

ドラゴンゾンビはボコられて、

二匹を呼び出すメッセンジャーとして

使いっ走りをやらされたのだ。

人質取るとは

汚ねぇ真似しやがるぜっ、

上等だっ、やってやんよっ!

皆殺しだっ!ゴラァッ!

畜生っ!

関係ない白竜さんまで

巻き込みやがってっ!

ぜってぇ、あいつ等みんな

ぶっ殺してやんよっ!ボケェ

体をワナワナ震わせて

ブチ切れる赤龍と青龍。


二匹が河川敷まで行くと、

そこには狂竜高校のドラゴン達が、

大勢待ち構えていた。

逃げないで、

よく来たじゃねえか、

おめえ等、へへへっ

狂竜高校のリーダー、

黒龍が不敵な笑いを浮かべる。

キャッ
グヘヘヘ

白竜さんは無事だが、

逃げないように

男達に取り押さえられている。

テメェ等、随分と

汚ねぇ真似してくれるじゃねえか、

殺すぞっ、ゴラァッ!

白龍さんに

汚ねぇ手で触るんじゃねぇぞ、

テメェ等、殺すぞっ、ボケェ

おいおい、おめえ等、

何イキってんだ?

こっちには人質がいんの

わかってんのかぁ?

黒龍が取り押えられている

白竜さんを指差す。

人質を前に手も足も出せぬ赤龍と青龍。


先日のお返しとばかりに

一方的にボコボコに殴られる、

拳、牙、爪、尻尾で。

テメェ等、上等だよっ、

いつか殺してやんからな、ゴラァッ!

テメェ等、覚えてろよっ!

次は必ず殺すぞっ、ボケェ!

頭から血を流し

ボロボロになっている

二匹の運命や如何に。

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