三組の三ケ崎君
文字数 1,542文字
一方、三組の三ケ崎君。
異世界メッセージにうっかり返信してしまい、車に轢かれるのが怖くて、学校を休んで家に籠もっているともっぱら噂されていたが、実際その通りであった。
彼は現在の環境にそこまで
辟易としている訳でもなかった。
三ケ崎君はそのまま
バックれることを決意する。
それでも、不安で仕方がないので、
スマホで異世界メッセージのことを改めて調べてみる。
青ざめる三ケ崎君。
それからはずっと家に籠り切り。
部屋の鍵を閉め、一切部屋から出ようともしない。
両親は息子が
突然引きこもりになったと、
オロオロするばかり。
異世界の神々の仕業で
高校生が一人引きこもりになったというのは
どうにも妙な話でもある。
部屋に閉じ籠り
膝を抱え震える三ケ崎君。
壁に背を付け膝を抱えて丸まって居ると、
三ケ崎君はウトウト居眠りをしはじめてしまう。
すると壁の中から徐々に
骨の手が出て来て彼の顔に触れる。
そこで三ケ崎君は目を醒ます。
数日ぶりに部屋から出て
お風呂に入ったのだが、
そこでもやはり居眠りをしてしまう。
するとやはり湯船の中から
骨の手が出て来て彼の顔に触れる。
そこでやはり三ケ崎君は目を醒ます。
慌てて震えながら
風呂を出て着替え
自分の部屋に戻る三ケ崎君。
だが自分の部屋のドアを開けると、
そこには大きな人影が立っていた。
その人影は全身真っ黒な衣装の中から
髑髏の顔だけを露わにしている。
黒いローブにフードを被り
髑髏の顔を覗かせている、
手には大鎌を持つ、
人が思う死神の姿そのまま。
三ケ崎君は何度も叫びながら、
その場から逃げ出す。
死神もまた彼の後を追って行く、
しかし手にする大鎌は全く振り回さない。
死神に追い掛けられ、行き場がなくなり
家の玄関のドアを飛び出した三ケ崎君。
家の前を通りかかったトラックに轢かれる。
死神はその様子を
立ち尽くしてじっと見ているだけ。
死神にすら批判されてしまう
神々のやり口。