異世界から見た流刑地
文字数 1,162文字
異世界統一を成し遂げた覇王は、
法制度の着手をはじめていた。
死刑制度もその一つであったが、
常に死と隣り合わせで生きて来た
異世界の住人達にとっては、
死罪というのはそれ程
犯罪抑止力の効果があるものではなかった。
そこで新たに
流刑地送りという刑罰が導入されたのたが……。
早速、曲解されて噂が流されはじめる。
その噂は瞬く間に
尾ひれはひれが付いて広まって行く。
さらに誇張されて話は広まって行く。
伝聞として広まる内に
誇張と簡略化が進んだ挙げ句、インパクトがある箇所だけが残った結果
最終的には、そんな噂になっていた。
しかし逆にそれが功を奏したのか、
異世界の住人から
流刑地送りはおそれられるようにになり、
それなりに犯罪抑止力としての効果はあった。
こちらの人間世界に残る異形の者達の伝承、
それらはもしかしたら、異世界から流刑地送りにされた者達のことなのかもしれない。
ただ、異世界で流された伝聞
そのすべてが的外れという訳ではなく、
中には本当にとんでもない目に遭った者達もいた。