クラス=レイパー(性犯罪者)
文字数 1,655文字
ゴブリンの洞窟、中には入らずに
木々の間からずっと様子を
洞窟内から逃げ出して来た男、
その顔を見たコーエンは落胆の色を隠せない。
洞窟から出て来てまで
しつこく男の後を追い掛けるゴブリンが数体。
コーエンが逡巡していると、
男に襲い掛かろうとしていたゴブリン達が
次々と倒れて行く。
どこからともなく
颯爽と現れた巨漢の男が、
あっという間にゴブリン達を切り捨てたのだ。
逃げていた男は
目の前に居る巨漢の男に
助けてもらった礼を言った。
巨漢の男はそう言うや否や
逃げていた男の胸を大剣で貫いた。
再び下卑た笑い声がこだまする。
その姿を見ただけで
逆上して理性を失いそうなコーエンは
自らに冷静になれと言い聞かせ、
天に向かって銃を撃ち、空砲を鳴らす。
巨漢の男は声の方を振り返った。
そこには銃を構えたコーエンの姿が。
不用意に名前を明かさない狡猾さ、
わざとらしくしらを切るレイパー(性犯罪者)。
不敵な笑みを浮かべ
敢えて相手を挑発するようなことを言う
レイパー(性犯罪者)。
コーエンはこの男の下衆っぷりに
胸糞が悪くなり吐き気を催す。
この男が下衆なクソ野郎ということだけは
どうやら間違いがなさそうだ。
頭に血が上り正気を失ったコーエンが、
指を掛けていた引き金を引く。
だがそこに倒れていたのは
巨漢の男ではなくコーエンだった。
コーエンは後ろから撃たれた。
目の前に居るレイパー(性犯罪者)の仲間、
罪人狩達によって。
罪人狩の者達は
新たにミッションの対象となった
ゴブリン討伐でポイントを稼ぐ為、
集団でここにやって来ていたのだった。
早々に
ラッキーだと思っていたコーエンだったが、
実際にはこの上なく不運なタイミングで
ここにやって来ていて、
最悪な状況で