バイオロイドの正体
文字数 1,320文字
防衛軍幹部である一条女史と春日は
倒れている少年の顔を覗き込む。
春日は親身になって
少年のことを心配している様子。
バイオロイドとされていたのは、
地球防衛軍が研究を進めているゾンビ兵であった。
ゾンビ兵とは、その名の通り
戦争で死んだ人間の内、
外的損傷が少ない者を再生医療で修復した上
ゾンビのように操り
兵士として戦力にするというもの。
そしてこの一条女史、
女子高生のような見た目だが
この少々ブラックな地球防衛軍の中でも
並ぶ者無きスーパーマッドサイエンティストで
今回のゾンビ兵計画の立案者でもある。
防衛軍は『異世界人』との戦争で
戦死した人間の肉体を再生して
ゾンビ兵として蘇らせた。
だが魂を持たぬ彼らには、
彼らの魂の代わりを務める人間が必要だった。
その役割はゾンビ兵の遺族のほうが
より効果的なのではないかとして
今回、実験、データ収集が行われていたのだ。
春日は心配そうに一条女史に尋ねる。
春日はゾンビ兵の最後の姿を見て、
一条に問う。