第78話 わくらば 三浦哲郎

文字数 420文字

1931年生まれで2010年没。早稲田大学仏文科卒。29歳の頃、「忍ぶ川」で芥川賞。受賞作多数。初めて呼んだ短編集モザイクⅢわくらば。平成12年の作。解説の荒川洋治:「作品の中心となるもののひとつは、人間のからだであると僕は思った。人間のからだの全体に、その全区画に寄り添って書かれているように思われるのだ」、書いている。
 私は、この解説をよんでから短編集を読んだ。日常のありふれた生活のなかから、作者の目をとおして、物語がある。完結せずに途中で終わっている。後は読者の想像に任せるという手法だろうか。読みやすく、引き込まれるようにすすむ。「からだ」にほとんどが関連するが、それだけではないだろうと、解説者にもっと深いものがあるところを読み解いてもらいたい気がした。
 最近の話のような構成なのだが、なぜか随分昔の昭和初期とかのことではないかと思わせるような文章である。都会に住んでいながら、田舎のようなことが引き出され、不思議な感じがした。
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