第17話 釣り船に誘われ 坊ちゃん5

文字数 803文字

□教頭の赤シャツに釣りに誘われた。釣りをする連中は不人情だ。魚だって生きている方が楽に決まっている。※生き物の命について主張する。
□画学教師の吉川の野だいこも行く。二人で行けばいいのをなんで不愛想なおれへ口を掛けたのか。※言い方が上手だ。
□おれだって人間だ、いくら下手でも糸さえ卸しや何かかかるだろう。※だれも思っていることをさりげなく書く。人間批評がいきいき想像をたくましくさせてくれる。
□野だに聞くと、沖釣りに竿はもちいません。糸だけでげすと顎を撫でて黒人じみたことをいう。※人間の態度や表情をじいーと観察して批評するのがうまい。
※瀬戸内海の海釣りの光景描写も、そこに一緒にいるような雰囲気を感じさせる。野だが教頭の赤シャツに、お世辞、ゴマすりの会話を並べる。
□あの岩の上に、マドンナを置くと、いい画ができますぜ野だが言うと、赤シャツはマドンナの話はよそうじゃないかと気取って笑う。※この先マドンナが何者か少しづつ分かってくる。
□マドンナは赤シャツの馴染みの芸者のあだ名かと思った。※小魚がつれたが、手がヌルヌルし気持ち悪いので、魚は握りたくないとやめ、船で寝転がっていた。
□赤シャツと野だが小声で噂話。バッタという野だの語を聴いて思わず吃となった。おれの内緒話か。※教頭は宿直の日の大騒ぎを、君の為を思って、うまく収めたいという。おれは免職になるか、寄宿生を謝らせるどちらかだと黒白はっきりしている。。
□世間の人は悪くなることを奨励している。悪くならなければ社会に成功しないものと信じているらしい 。※心の隅にある世間の考えをちくっと突くのも、面白い。
□正直な人をみると、坊ちゃんだの小僧だのなん癖をつけ軽蔑する。※考えがユニークで反逆精神とユーモアが一杯である。
□港屋の二階に灯が一つついて、汽車の笛がヒューとなるとき、舟は磯の砂へざくりと、舳を付きこんで動かなくなった。※ほのぼのしていいですね。
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