第84話 冠  石垣りん

文字数 295文字

奥歯を一本抜いた 医者は抜いた歯の両隣り つごう三本、金冠をかぶせた
するとそのあたり 物の味わいばったり絶え 青葉をたべても枯れ葉になった
ああ骨は生きて居なければならない けだものの骨 鳥の骨 魚の骨 
みんな地球に生えた白い歯 それら歯並びのすこやかな日
金冠も王冠もいらなくて 世界がどんなにおいしくなるか。
短いものですが、割合に長くかかりました。何回も書きかけてはやめております。さわってみて未熟だな、と知り、もぎとることを後にする果実のようにです。りんごや柿の、はなが咲いて実がなるくらいかかりました。
 動機も、内容も、願いも全部おもてに出してある平明な詩なので、よければ読者も白い歯で
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